認知症について

はじめに

近年、認知症高齢者は急速に増え続けていると言われ、2025年にはその数が700万人を超えると推定されています。(厚生労働省より)そこで認知症の症状を含め、関わり方について知っていただきたい事をいくつかご紹介したいと思います。

認知症の症状

認知症は「脳の病変により記憶を含む複数の認知機能が後天的に低下し、社会生活に支障をきたすようになった状態」と定義され、中核症状と周辺症状の2つに大きく分けられます。
 *中核症状・・・記憶障害、理解・判断力の低下、現在の年月・日付・自分の居場所等の状況把握が出来なくなる
 *周辺症状・・・抑うつ、不安、幻覚・妄想、性格変化などの精神症状や、徘徊、拒否、暴力などの行動障害があり、本来の性格や周辺環境など様々な要因が重なり合い症状が出現する

周辺症状の背景要因

自分がいる場所や何をする為にここにいるのかといった内容を記憶しておく事が出来ず、不安や焦燥感に繋がります。周辺症状に対し「なぜこのような行動をとるのか」という原因を考え、認知症の方の抱える不安や混乱を取り除き、安心感を与える対応が必要と言えます。

不安を取り除く為に出来る事

・共感的な態度
 認知症の方の持つ不安や不快な感情に対し、怒る・叱責するなど感情的に対応してしまうと不安感をより一層強めてしまいます。「今、○○だから嫌な気持ちなのですね」等相手がどんな気持ちなのかを理解し、寄り添う事が大切です。

・居心地の良い生活空間つくり
 -家族の写真や昔使っていた道具等なじみのある物を周囲に置く
 -認知症の方の部屋を出来るだけ居間の近くにし、家族の声が聴こえ団欒に入り易いようにする

・役割を与える
 認知症の方は少し前の事(近時記憶)は忘れやすいですが、遠い昔の事(遠隔記憶)は障害されにくいという特徴があります。特に体で覚えた記憶(手続き記憶)は失われにくいです。その人が人生で体験してきた作業(家事・手仕事・遊び等)を行うと脳に刺激を与える事ができ、活性化に繋がります。更に作業を行う中で「やり方を教える」という役割を演じてもらう事で意欲を引き出す事にも繋がります。

◆主に作業療法士の行う実際のリハビリ場面でも・・・
・脳の活性化を図るために折り紙やカレンダーの色塗り・昔の写真を見ながら過去の思い出を語っていただく様な事も行っています。
2016.04 リハビリ通信

さいごに

「その方」がどんな生活を送ってきたを基盤に馴染みのある作業の提供や環境作りが必要であり、私自身その事を常に意識しながら日々の患者様との関わりに繋げていけたらと思います。ここに記載した内容はほんの一部ですが、少しでもみなさんのお役に立つ事が出来れば幸いです。

カテゴリー: リハビリ通信 パーマリンク