大腿骨頚部骨折と人工股関節

はじめに

今回は大腿骨頚部骨折と人工股関節についてお話ししようと思います。大腿骨頚部骨折は、老年性骨粗鬆症となっている高齢者に多く発生しやすい骨折です。転倒をきっかけに生じることが多いと言われていますが、歩行中に足先がひっかかり足が急激にねじれることで骨折し、その結果転倒することも多くあります。骨折直後は、起立不能で股関節に痛みを生じ、自分で足を動かすことが難しくなります。

大腿骨頚部骨折はなぜ骨が癒合しにくい?

大腿骨頚部骨折は、関節内に骨折が生じる内側型と、関節外に骨折が生じる外側型に区分されますが、前者は治癒の難しい骨折として有名です。その理由として、①骨折により骨への血行が絶たれやすく阻血状態になること、②骨折の形状から骨癒合が難しいこと、③高齢者に発生しやすいため再生能力が低下していることが挙げられます。

人工股関節の利点

これらの理由のために骨癒合が得られにくく、また骨が崩れる(壊死)こともあるために、多くは人工股関節の手術を行います。下記の図のように骨盤側にポリエチレン製のソケットをスクリューで固定し、大腿骨側にチタン製ステムを挿入する手術です。この人工関節で優れている点は、手術後2-3日と早い段階で足に体重をのせても良い点です。一般的に高齢者は手術後に体力の低下をきたしやすく、手術後の安静が長くなるほど体力を取り戻すのに時間がかかります。しかし、手術後から早くに足に体重をのせてリハビリが行えるため、手術後の体力低下を最小限度にとどめることができます。

人工股関節の注意点

人工股関節で注意しなければならない点があります。それは、手術した足をねじることによる脱臼です。脱臼は手術後~3か月以内で多く起こるといわれています。手術方法によっても脱臼しやすい姿勢は変わってきますが、多くは足を曲げて内側にねじる方向が脱臼しやすいといわれます。靴や靴下を履く時や注意が必要です。

リハビリ通信2014年12月01

悪い例:膝が内側に入り脱臼しやすい肢位

リハビリ通信2014年12月02

良い例:膝が外側に向いており脱臼しにくい肢位
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