五十肩について

概念

五十肩の定義は統一されたものはありません。
50歳代を中心にした中高年者に明らかな外傷なく生じ、疼痛と関節拘縮を主徴候とする病態を五十肩と呼ばれています。

病因

病因は不明ですが、加齢による軟部組織(腱板、上腕二頭筋長頭腱など)の退行変性を基盤として肩峰下包や肩関節に炎症性病変を生じ、関節包が短縮して肩甲上腕関節の運動制限を生じると考えられています。

症状・所見

  • 40~60歳代に多い。
  • 徐々に発病して肩甲部の疼痛と運動制限をきたします。
  • 痛みは寒冷時、夜間に強く、上腕や肘に放散します。
  • 肩関節はあらゆる方向に制限されます。そのため、日常生活動作や日常関連活動において全般的に制限が出現します。(例えば、寝返りや起き上がり、結髪動作や結帯動作、など)
自宅での日常生活動作が自立出来る状態の関節可動域は、肩関節屈曲90°以上、肩関節外転110°以上が望まれます。

経過

経過 内容 対応
①痙縮期
(freezing phase)
痛みのために肩の自動運動が制限される時期。 炎症を減少させ、除痛(三角巾など)を図ることが必要。有痛性動作は禁止。
②拘縮期
(frozen phase)
関節自体に拘縮が生じて他動運動が制限される時期。 炎症が減少し、関節拘縮が主体となる。薬物療法やリハビリが必要。
③回復期
(recovery phase)
疼痛、関節可動域共に改善する時期。 関節可動域制限も徐々に回復。運動時痛も消失。ホームエクササイズ(主治医やリハビリの指導の下)を中心としたストレッチを行う。

予後

比較的良好で、1年ないし1年半で日常生活に支障がなくなることが多いと言われています。

※あくまでも文献上であり、個人差がありますので、かかりつけの主治医へご相談・ご確認下さい。

治療

・温熱治療
・運動療法
・薬物療法
・手術的療法
・疼痛管理や増悪させないようにする為の生活指導
これらが主となります。

自宅でも出来る簡単な体操と就寝時のポジショニング

①肩甲骨体操からのコッドマン体操

(1) 肩甲骨体操
テーブルに一側の上肢を置き(肘は伸ばした状態)、もう一側上肢を床へ向けて押し下げて下さい。出来るだけ肩甲骨が外へ押し広がる状態を感じながら行って下さい。回数は疼痛増悪とならない程度。
(2) コッドマン体操
両膝を曲げ、体幹前傾し上肢を左右前後、円を書くように振る回数は疼痛増悪とならない程度。
 

②体幹・肩甲骨の準備運動からの台拭き運動(サンディング運動)

  1. 準備運動:椅子に浅く腰掛け、両手を両膝の内側より下垂させます。
  2. スタートポジションが取れたら、ゆっくりと両手を床へつけるようにして下ろします。
  3. 台拭き運動(サンディング運動):椅子に浅く座り、テーブルに台拭きを置いて上記の状態を作ります。
  4. 上記の状態からゆっくり前におじぎをし、両上肢を遠くに無理のない程度に伸ばしていきます。

③うちわ運動で肩関節の内外旋運動

  1. うちわ運動:椅子に座り、脇をしめて90°肘関節屈曲位の状態(上記写真のスタートポジションをご参照下さい)を作ります。
  2. スタートポジションから脇・肘をひらかず、左右交互にうちわを扇ぎます。
④睡眠時の上肢のポジショニング 


肩から肘の後ろに枕やクッションを挿入し、前腕と腹部の間にクッションなどを入れます。このポジションをとることで、肩関節の伸展や強内旋・外旋を予防できます。

※人により個人差がありますので、あくまでもご参考になればと思います。

自宅でも出来る簡単な体操と就寝時のポジショニングのまとめ

  • 運動を行われる際は、主治医・リハビリのセラピストへ相談・注意事項を確認のもと、実施して下さい。
  • 疼痛が増悪した場合や状態異常を感じた際は、無理をせずに担当の主治医または理学療法士・作業療法士にご相談下さい。

最後に

症状や疼痛状態は個人により様々です。あくまでも、リハビリ視点での文献的・一般的な内容であるため、知識としてご参考になればと思います。詳しい内容や説明はかかりつけ主治医または担当の理学療法士・作業療法士にご相談下さい。
以上、簡単ではありますが紹介を終わります。

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