うつ病について

はじめに

日本では、100人に3~7人という割合でこれまでにうつ病を経験した人がいるという調査結果があります。うつ病においては脳卒中後のうつ、産後うつ、子供のうつなど様々な種類があり、うつ状態は患者様の苦痛や苦悩を伴うだけでなく、その生活の質(QOL)を妨げ、ご家族様にとっても心配や負担を増す原因にもなり、その早期発見と対処が必要な病状です。ここではうつ状態の症状を中心に述べ、早期発見の対策についてお話ししていこうと思います。

うつ病になる原因とは

うつ病の発症メカニズムについては、まだはっきりしたことはわかっていませんが、これまでの研究から脳の中で感情をコントロールしている神経伝達物質のバランスが崩れてしまうことが原因の1つだと考えられています。意欲や気分を調整する「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といった神経伝達物質が十分に機能しなくなると、感情をうまくコントロールできなくなって、うつ状態に陥ってしまうといわれています。
つまり、うつ病とは【精神的・肉体的疲労】が続いていくうちに脳の中の「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といった神経伝達物質の働きに異常を来してしまい、そのためにさまざまな症状が出現する病気なのです。また、うつ病の発症には、もともとの性格や考え方の傾向、あるいは環境(ストレスの状態)なども深く関わっているといわれています。

うつ病の症状とは

①精神症状について

  • 何をしても気分が晴れない【抑うつ気分】
  • 今まで好きだったことが楽しめない【意欲・興味の減退】
  • 仕事に集中できずミスが増える【仕事能率の低下】
  • 悲観的な考えが頭の中をぐるぐる駆け巡る【不安】
  • イライラしてじっとしていられない【焦燥感】
  • 「このまま消えて、いなくなりたい」「死にたい」という思いが強まる【希死念慮】

②身体症状について

  • 夜ぐっすり眠れず、朝早く目が覚める
  • 食事が進まず、美味しいと感じられない
  • 疲れやすく、身体がだるい
  • 首すじや肩がこって仕方がない
  • 頭が重い感じがする、頭が痛い
  • 息がつまって、胸苦しい
  • ノドの奥に物がつかえている感じがする
  • 性的な関心がうすれ、性欲が低下する

※上記の精神症状、身体症状の項目それぞれで3つ以上当てはまる方は要注意!!!!

対策

うつ病にかかっていても、医療機関に受診していない人が多いと言われています。認めたくない気持ちもありますが、まずは本人が不調に気づき、専門医に適切に受診できることが重要です。受診に抵抗のある方は、身近な人(家族、友人など)に相談しましょう。

まわりの対応について

  • 会話の内容より、感情をくみ取る
  • 人間的な温かさを持つと同時に、相手の問題に巻き込まれて、動揺したりしない
  • 「私はあなたの味方です。常にあなたに関心があります。」ということを伝える
  • 病んでいる部分を指摘するのではなくて、健康な部分を評価する
  • 良くなるためには時間がかかることを理解しておく
  • 自分自身の感情(怒り、不安、焦り)などをコントロールする

まとめ

うつ病になりやすい方の特徴としては、まじめで責任感の強い人。物事を、順調に、そして完全に成し遂げようと考える人。うつ病の人を見ると、怠け者に見えることがありますが、本来は全く正反対の働き者の人達です。むしろ働き者すぎたために、脳が疲れた状態になっているとも言えます。そして、このようなまじめな人だからこそ、うつ状態で仕事のできないことが辛くてたまりません。うつ病に大切なのは心と体の「休養」であることを理解していきましょう。

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