一般的に一番よく使用されている杖としてT字杖があり、ちょっとした支えに使う人や足の骨折後や脳卒中により麻痺が残った方の在宅復帰後に使用されるなどしています。
種類もコンパクトに折りたためるものから高さの調節が出来るものなど様々です。
しかし、T字杖を使用している人を街で見かけても、
- 杖の握り方が違うために力が入らない人
- 杖の高さが違い体が曲がった姿勢で歩いている人
- 杖のつく位置が悪いために杖を自分の足で蹴ってしまう人
- 杖と足の順番がバラバラで歩いていても階段を上がっていても杖を使っている意味がない人
上記のような人を多く見かけます。T字杖は正しい持ち方をすることで、ふらつきがなくなったり、より長く歩けるようになります。そのため、今回はT字杖の力を十分発揮できるように使用方法のポイントを紹介します。
①T字杖の握り方と持ち手の選び方握り方は、人差し指と中指で挟むようにして握ります。 |
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②杖の高さ手を体の横に下垂させたときに、手首の位置に杖の柄の部分がくるようにします。 ③杖を置く位置杖をついている方の足のつま先から前へ15~20㎝、外へ15~20㎝の場所へ杖をつくようにします。 |
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杖の高さ | 杖を置く位置 |
④歩き方 |
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T字杖 + 杖を持っていない方の足 |
杖を持っている方の足 | |
という順番を繰り返します。杖と足を一緒に出す事ができない時は、 T字杖 → 杖を持っていない方の足 → 杖を持っている方の足 |
⑤階段の上り下り |
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階段の上がり方 | ||||
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杖を1段上に上げます | 杖を持っている方の足を 上げます |
杖を持っていない方の足 を上げます |
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階段の下り方 | ||||
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杖を1段下に下ろします | 杖を持っていない方の足を 下ろします |
杖を持っている方の足を 下ろします |
以上のことを気をつけていただければ、T字杖の力を十分発揮して効率の良い移動が行なえます。
「杖は見た目が悪い」「杖を使うぐらいなら外に出ない」と言われる方もいらっしゃいますが、『転ばぬ先の杖』という諺もあるように、転倒予防にもなります。杖を正しく使用することで危険のない快適な生活を送っていただければと思います。