廃用症候群について

脳卒中や大腿骨頚部骨折などの病気の後に寝たきりとなってしまうことが多いといわれています。
これは、病気による障害が一番の原因であると考えがちですが、実際には、寝たきりになるほど重度の身体機能障害を持たないにも関わらず寝たきりになる人が、半数以上を占めると考えられています。では、多くの人が「寝たきり」になるのは何が原因なのでしょうか。

1週目で20%2週目で40%3週目で60%も低下すると言われています。さらには、体中の関節が硬くなり、体を起こそうとするとめまいがして(起立性低血圧と言います)座ることや歩くことができなくなってしまいます。その他にも使わないことによって出現する症状としては、「骨が弱くなる」、「心臓や肺の機能が低下する」、「床ずれ」、「痴呆や抑うつなどの精神症状」など非常に多く、これらは、「廃用症候群」と呼ばれています。廃用症候群は、過度な安静など日常生活の活動量が低下したときに生じますが、これが寝たきりになる大きな原因と考えられているのです。

1日間の安静によって生じた機能低下を回復させるためには1週間かかり1週間の安静により生じた機能低下を回復するには1か月かかるともいわれます。特に高齢者では廃用症候群を起こしやすく、また一旦起こしてしまうと、廃用症候群の症状が原因となって、さらに体を動かさなくなり、そのことがさらなる廃用症候群の進行を招いてしまうという「悪循環」に陥りやすくなってしまいます。従って廃用症候群は予防することが何より重要であり、万一発生した場合にもできるだけ早くそれに気付いて悪循環を断ち切ることが重要です。

廃用症候群の予防には、病院などでの機能訓練が有効であり、機能訓練は退院後も続けないと悪くなってしまうという誤解があるように感じています。普段の生活で、寝てばかりいて、「危険」や「大変」を理由に過剰な介護を受け、代わりとして時々運動や訓練を行うのでは意味がありません。予防のために大切なことは、身の周りの動作は介護を要する場合でも出来るだけ自分で行い、家事や趣味等の活動や社会参加等もできることは積極的に行うようにしていくことが必要となります。

ここで興味深いデータを紹介します。脳卒中片麻痺の方で、外来リハビリテーションを機能訓練中心で受けていたグループと日常生活の過ごし方の指導を中心に受けていたグループの退院から5年後の比較を行った所、機能訓練中心で受けていたグループは半数近くが生活機能が低下してしまったのに対し、生活指導中心に受けていたグループで生活機能が低下していた人は1割以下であったということです。

最後に

 健康な人が廃用症候群にならずに生活機能を維持できているのは、身の回りの動作や家事や余暇活動を含め日常生活を活動的に行っているからです。廃用症候群の予防のためには、より活動的な生活を送るために、担当のケアマネージャーや介護保険施設、医療機関などに、どのようにして生活を送るのかについてのアドバイスや援助を受けていくことが非常に大切になります。

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