シーティング

はじめに

今回はシーティングについて触れてみたいと思います。
シーティングとは、簡単にいうと椅子や車椅子の上で正しい姿勢をとるための技術です。みなさんは、“きちんと座る”ということはどのように座ることだと思いますか。座っている姿勢は、私たちの身体に何らかの影響を与えています。例えば腰が曲がりやすい、もしくは曲がった方で、腰痛や肩こりに困っている方はおられませんか?もしかしたら、あなたの普段の姿勢がこれらを引き起こしているのかもしれません。ここでは、私たちが普段どのように座っているのかについて考えていこうと思います。

良い姿勢と悪い姿勢

いわゆる良い姿勢とは、“90‐90‐90”の姿勢をいいます。これは、股関節・膝関節・足関節を90度にして直立して座った姿勢を意味しています。まずはこの姿勢をできるだけ長くとってみてください。一体どれだけの人がこの姿勢を長時間保つことができるでしょうか…?実際に、多くの人が腰が曲がってきたり、脚を組んでみたりするのではと思います。これらは、悪い姿勢やだらしない姿勢として捉えられてしまうかもしれません。しかし、楽に座るため、疲労や不快を回避するための能力ともいえます。私たちは誰でもこの能力を持っていて、絶えず姿勢を変化させているのです。

座った姿勢で大切なのは頭部の位置

私たちは人と話をするときや、興味のあるものに対しては目を使います。視線を話し相手や興味の対象に向けるためには頭部を動かさなければなりません。頭部を楽に安定させ、楽に動かせる位置に置くことが重要です。
頭部が安定すると視野が拡がり、口の開閉や食事・呼吸・会話がしやすくなります。頭部が乗るベースとなるものを安定させなければいけません。図のように脊柱、骨盤、両脚で支えています。
脊柱は頚椎、胸椎、腰椎に分けられ、図のようにカーブを描いています。脊柱や骨盤を支えているのは筋肉です。ですが、筋肉も常に使っていると疲労してきます。過渡に身体を安定させようとすると疲労を引き起こす原因になり、姿勢が崩れてしまう原因にもなります。

なぜお尻は前へすべるのか・・・?


図のような椅子にいわゆる良い姿勢で座ってみます。筋肉が疲労してくると徐々に背中を伸ばして背もたれにもたれて楽な姿勢をとろうとします。背もたれにもたれる力が強くなると、背もたれがその力を支えられなくなります。その力の逃げ道は、お尻を前にすべらせる力になってしまうわけです。この姿勢を長くとっていると、腰に与える負担が強くなり腰痛を引き起こす原因になります。
これは私たちに問題があるわけではありません。私たちが普段から座っている椅子が、このような姿勢にさせてしまっていると考えられます。

実際の生活の場面

日常生活での座る場面の例としてデスクワークがあります。長時間デスクワークをしていると、前方に身を乗り出したり背もたれにもたれたりすると思います。これは、肩こりや腰痛を引き起こす原因になります。
そこで、椅子のデザインを身体に合わせることを考えていきます。大切なのは「形状」と「硬さ」と「角度」です。身近なもので使用しやすいのは、タオルやクッションです。
①お尻が前にすべらないように前側が少し高くなるようにします。これにより、お尻が前にすべりにくくなり、骨盤の位置が安定し、直立位を維持しやすくなります。
②背もたれが硬すぎると、胸椎をしっかりと支えることができません。脊柱のバランスがとれ、骨盤が安定します。また快適に支えられることが大事です。
③腰部の反りは骨盤の位置と胸椎の伸びによって決まります。その形状に沿わせます。ただし圧迫しすぎると返って腰に負担を与えてしまうので注意が必要です。

おわりに

ここで紹介させていただいたのはほんの一部です。適した椅子とは人それぞれで異なります。それは、身体の形状の違いもありますが、人それぞれ姿勢を保つ能力や椅子に座っるときの感じ方が異なるからです。まずは普段よく座る椅子に座ってみて、何か不快に感じることはないか、感じとっていただければと思います。

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