歯の衛生

6月4日から6月10日までの一週間は歯の衛生週間です。これを機会に口の中の健康について見直しましょう。
口の中の疾患で最も多いのが、う蝕(むし歯)と歯周病です。この二つの疾患によって多くの歯が失われています。80歳になっても自分の歯を20本以上保有することを目標にした「8020運動」が全国的に進められています。ご自身の歯を出来るだけ失わないためには、歯医者さんにお任せするだけではなく、個人あるいは保護者や介護者の努力も必要です。以下、8020達成のための要点を記載させていただきます。

う蝕について

う蝕の発症には、酸をつくる細菌・糖質の摂取方法・歯の質の三つが大きく関わっています。う蝕の発生をできるだけ少なくするためには、この三つの要素についての対策が必要です。
「身体のなかで最も硬い歯に穴を掘る」その正体は、酸です。この酸はどこから出てくる? う蝕原因菌から産生されるのです。口の中の細菌をすべて消滅させることは不可能ですが、その数を少なくすることは可能です。口の中の細菌は集落(細菌の塊)を形成しますが、歯にへばりついた細菌集落を歯垢(プラーク)と呼びます。歯垢は、注意深い清掃によって除去ができます。「歯をみがく」ことが大切であることの根拠でもあります。
ヒトが生活していくためには食事が必要であるのと同様に、細菌が生活していくためにも栄養が必要です。う蝕原因菌の好物は、糖質です。砂糖がう蝕の発生を助長するといっても、砂糖をまったく含まない食生活は考えられません。要は糖質の取り方です。糖分が口の中に停滞する時間を少なくすること、あるいは細菌にとって苦手な糖質(キシリトール、パラチノース等)の利用が勧められています。時間を定めないお菓子のダラダラ食いや、就寝前の糖分摂取は厳禁です。
硬そうに見える歯でも萌えた直後の歯は、酸に対する抵抗力は強くありません。唾液(つば)に含まれるカルシウムやリンによって強くなるのですが、この時期にフッ化物を応用することによって歯の酸に対する抵抗力がもっと強くなることが知られています。適切な方法によるフッ化物の取込みによって、う蝕が少なくなるわけですからこれを使わない手はありません。応用方法についてはかかりつけ歯科医に御相談下さい。

歯周病について

歯周病は、歯垢中の歯周病原因菌によって引き起こされます。また、長期間取り除かれなかった歯垢は、やがて硬い歯石となり歯垢の除去を邪魔する要因にもなります。歯科医院での定期的な歯石除去と歯垢の効果的な除去方法について指導を受けることが大切です。通常の歯ブラシを上手に使える方は、多くの歯垢を除去できるかもしませんが、複雑な歯並びの隅々まできれいにするには補助的な清掃器具も必要です。特に身体に障害をお持ちの方には、その方に応じた器具や清掃法・介助法について、かかりつけ歯科医に相談して下さい。
進行した歯周病の場合には、長期に渡る計画的な歯周治療が適応となることもあります。生活習慣病ともいえる歯周病の進行防止には、かかりつけ歯科医への定期的な受診と個人の管理も重要であることを理解して下さい。

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