糖尿病が心配な方へ

日本の糖尿病患者数は、現在690万人と推定されています。糖尿病の患者さんは急速に増加しつつあり、近いうちに減る見通しもありません。
高脂肪、高カロリーの食習慣や、体を動かさなくてもすむような生活。特に車への依存といった生活習慣も、容易には改善されないでしょう。

職場検診などで尿に糖が出るとか、血糖が高いと言われた方はいませんか?
甘いものを食べた後だから、前の日にお酒を飲んだから、この頃過労気味だから、・・・と自分で言い訳して、そのままにしている方はいませんか?
尿検査で糖が出た。改めて絶食で尿検査を受けたら尿に糖が出ていなかった。‥・やれやれ安心した。・・・と 思っている方はいませんか?

糖尿病といっても、いつもいつも尿に糖が出るとは限りません。糖尿病の患者さんでも、おなかが減っている時の尿に糖が出ないことは、ままあることです。再検査で尿糖が出なかったことより、一度でも出たことの方を、重視するべきかもしれません。
尿に糖が出た方は、詳しい検査(75g糖負荷試験)を受けてみては如何でしょう?

のどがかわく 痩せる
尿が多い 疲れやすい

糖尿病では、のどがかわく、尿が多い、疲れやすい、痩せるといった症状が出ることが知られています。ところが、このような症状は、糖尿病がかなり悪くならないと、現れません。

糖尿病といわれているけど何ともない。これまで通り元気だから、まだ大丈夫と思っている方。
糖尿病の余病は、全く気づかぬうちに進んでいることが、多いことを知って下さい。

糖尿病の余病(合併症)について

糖尿病では体のいろいろな部分に、気づかないうちに障害がでます。代表的なものが糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症の3つで、3大合併症と呼ばれています。

糖尿病性網膜症

網膜は眼の一番奥にある部分で、カメラに例えればフィルムに相当します。この網膜の細い血管(毛細血管)に変化が起こることで、網膜症が始まります。
網膜症の初期には、小さな出血がおこるのですが、この程度では本人は、全く異常を自覚しません。眼の奥を調べる眼底検査を受けないと、網膜症が発症しているかどうかもわかりません。
網膜症のない患者さんでも、最低年1~2回は眼科受診をして、眼底検査を受ける必要があります。
網膜症が始まっている方は、その後の通院については、眼科の先生の指示に従って下さい。網膜症が一定以上の状態になれば、レーザー光線を使った、光擬固という治療も必要となります。

糖尿病牲神経障害

糖尿病が、あまり良くない状態で続いていると、特に手足の指先の方から障害が出てきます。症状としては、指先のジンジン~ピリピリした感じ等が多いといわれていますが、逆に感覚が、鈍くなってくることも多いのです。鈍くなった場合、低温やけどや、怪我に気づきにくくなることもあり、注意が必要です。これ以外にも、低血糖がわかりにくくなったり、立ちくらみが出たりと、いろいろな症状が出ることがあります。

糖尿病性腎症

他の合併症と同じように、最初は症状がありません。ある程度進行してくると、尿に蛋白がでるようになります。でも、この時期でも、本人に自覚症状はありません。そのまま悪化し続ければ、腎不全になり、透析が必要になることもあります。
腎症を早期に発見しようとすると、尿中微量アルブミンというものを調べることがあります。通常の尿検査で、尿蛋白が認められなくても、尿中微量アルブミンが陽性なら、早期の糖尿病性腎症が始まっていることが多いのです。

以上の3大合併症の他にも糖尿病の患者さんでは動脈硬化が進行しやすいことが知られています。そのため、血圧やコレステロールに対する注意・治療も、欠かすことができません。

合併症について簡単に述べてみました。これらは、何れも糖尿病発見当初から、きちんと治療・管理していれば、予防することも可能です。糖尿病は早く発見して、合併症を予防することが大切なのです。 糖尿病が気になっている方、一度でも尿糖や高血糖を指摘されたことのある方、きちんと調べてみませんか?

文責
西谷内科医院 西谷昭夫

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